回転性めまいとは？
回転性めまいは、自分自身や周囲の物が回転しているような感覚がある症状のことを指します。
このめまいは、ふわふわと揺れるような浮動性のめまいや立ちくらみのような失神性のめまいとは異なり、自分自身や周囲の物が回転しているような錯覚があることが特徴です。
代表症状：良性発作性頭位めまい症
症状の代表的なものに「良性発作性頭位めまい症」というものがあります。
症状としては、頭を動かしたり、姿勢を変えたりすることで突然めまいが発生します。
これは本来、三半規管の壁に付いている耳石と呼ばれるカルシウムの粒が、頭を打ったり、体へ強い衝撃があった時、ホルモンバランスの乱れによって剥がれ落ち、三半規管に入り込んでしまうことで起こります。
これ以外には、気圧の問題や体内の水分バランスの問題で、内耳がむくんだり、炎症を起こすことでめまいが起こることがあります。
回転性めまいの症状
回転性めまいの症状には、以下のようなものがあります。
- 自分自身が回転しているような感覚
- 周りの物が回転しているような感覚
- 吐き気や嘔吐
- 視力の乱れ
- ふらつきや不安定感
これらの症状が出た場合は、すぐに安静にして休むことが大切です。
また、症状が続く場合は早めに医師の診察を受けることが必要です。
回転性めまいの原因
回転性めまいの原因は、主に「耳」です。
内耳が損傷したり、刺激を受けたりすることが原因となることが多くなっています。
内耳が損傷する原因としては、加齢や外傷、血流障害、あるいは薬物の副作用などが挙げられます。
このような原因によって内耳が損傷すると、内耳から脳に送られる情報が混乱が生じ、回転性めまいが引き起こされます。
また、ストレスや疲れ、不規則な生活習慣、運動不足なども原因となることがあります。
これらの原因によって、血流が悪くなったり、内耳の働きが低下したりすることでめまいが起こります。
「耳が原因でめまいが出やすい病気」
- メニエール病
- 前庭神経炎
- 突発性難聴
- 聴神経腫瘍
- 良性発作性頭位めまい症など
回転性めまいの一般的な治療法
回転性めまいの治療法には、以下のようなものがあります。
- エプリー法（浮遊耳石置換法）
- 薬物療法
- 物理療法
- リハビリテーション
エプリー法（浮遊耳石置換法）
エプリー法は、主に良性発作性頭位めまい症など、耳石が内耳の三半規管に入り込んでしまった場合に行われる治療法の1つです。
この治療法では、患者が特定の体位になることで、耳石を内耳の正しい位置に戻すことが目的となります。
エプリー法は、治療後にめまいや吐き気が起こることがあるため、治療の前後には安静にしておく必要があります。
また、耳石が内耳に入り込んだ場合に行う治療法であるため、耳石が原因でない場合には効果がないことがあります。
薬物療法
回転性めまいに対する薬物療法は、めまいの原因に応じた薬剤を使用する方法です。
薬剤の種類には、抗めまい薬や血管拡張薬、抗不安薬、抗うつ薬などがあります。
抗めまい薬は、めまいを引き起こす原因となる内耳の異常を抑制するために使用されます。
血管拡張薬は、めまいを引き起こす原因となる血管の収縮を緩和するために使用されます。
抗不安薬や抗うつ薬は、めまいを引き起こすストレスや不安を緩和するために使用されることがあります。
ただし、薬物療法には副作用がある場合があります。
例えば、抗めまい薬には眠気やめまい、吐き気、口渇などの副作用があります。また、抗不安薬や抗うつ薬には眠気や動悸、便秘などの副作用があります。
そのため、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。
物理療法
物理療法は、温熱療法や電気療法などを用いてめまいを改善する方法です。
温熱療法は、熱湯や温泉などの熱い水につかることで、血流を促進し、めまいを改善することができます。
電気療法は、電気を用いて神経や筋肉を刺激し、血流を促進することができます。
物理療法は、めまいの原因によっては効果がない場合もありますが、特にめまいが起きやすい高齢者などには効果的な方法とされています。
リハビリテーション
リハビリテーションは、めまいによって生じた身体の不調を改善するための運動療法です。
リハビリテーションには、以下のような方法があります。
- セメント法
- ジンジバル法
- フィジオボールを使ったバランストレーニング
これらの方法は、めまいの原因によって選択されます。
例えば、良性発作性頭位めまい症の場合は、セメント法が有効な場合があります。
セメント法は、耳石が内耳の正しい位置に戻るように体位を変えながら行う方法です。
ジンジバル法は、頭を動かすことでめまいを改善する方法です。
フィジオボールを使ったバランストレーニングは、バランス感覚を改善することができるため、内耳疾患によって引き起こされるめまいに有効とされています。
リハビリテーションは、医師やリハビリテーションスタッフの指導のもと、正しい方法で行うことが大切です。
また、リハビリテーションは、急激な運動や無理な姿勢などによってめまいが悪化することがあるため、慎重に行うことが重要になります。
回転性めまいを予防する方法
回転性めまいを予防するためには、以下のようなことが大切です。
- 適度な運動を行う
- 読書やパソコン作業などで長時間同じ姿勢をとらないようにする
- ストレスを避け、十分な睡眠をとる
- 適正な水分補給を行う
- 耳を清潔に保つ
適度な運動を行う
適度な運動は、血流を良くし、内耳の働きを促進することができます。
例えば、ウォーキングやストレッチなど、簡単な運動からでOKです。
激しい運動は内耳に負担をかけるため、過度な運動は避けるようにしましょう。
運動をする際には、十分に水分補給を行い、運動前後には十分な休息をとるようにしましょう。
続けやすい運動を選び、適度な運動を習慣化することで、回転性めまいを予防することができます。
読書やパソコン作業などで長時間同じ姿勢をとらないようにする
読書やパソコン作業などで長時間同じ姿勢をとることは、首や背中の筋肉を緊張させ、血流を悪化させるため、避けるようにしましょう。
以下のような方法で、姿勢を変えながら作業を行うことができます。
- 20-20-20ルール：20分ごとに20秒間目を休め、20フィート（約6メートル）先を見る
- 適切なデスクと椅子を使用する
- 机や椅子の高さを調節する
- 頻繁に休憩をとり、ストレッチを行う
これらの方法を実践することで、長時間同じ姿勢をとることによる身体の不調を軽減することができます。
ストレスを避け、十分な睡眠をとる
ストレスは、どんな症状病気にも共通する大敵です。
そんなストレスを避けるためには、適度な休息や趣味をすること大切です。
例えば、好きなことをする、散歩に出かける、お茶を飲むなど、リラックスできる時間を作ることが重要です。
また、生活習慣を整え、睡眠時間を確保することが大切です。
就寝前には、スマートフォンやパソコンなどの画面から目を離すことも効果的です。
寝る前に、入浴やストレッチ、瞑想などのリラックスするための習慣を取り入れることもおすすめです。
適正な水分補給を行う
回転性めまいにおいて、適正な水分補給は脱水症状を予防するために非常に大切です。
脱水症状になると、めまいを引き起こす原因となります。
水分補給には水やスポーツドリンクなどがおすすめです。
ただし、糖分やカフェインが多い飲み物は避けるようにしましょう。
耳を清潔に保つ
耳を清潔に保つことは、内耳疾患を予防するために非常に重要です。
耳垢や汚れがたまると、内耳に入り込み、炎症を引き起こす原因となることがあります。
そのため、耳掃除を行う場合には、以下のような注意点を守るようにしましょう。
- キューティクルリムーバーなどの先端が鋭い道具は使用しない
- 耳の中に入り込まないようにする
- 耳かきを使う場合は、柔らかいものを選ぶ
- 耳かきで掻き出した汚れは、綿棒で拭き取る
- 耳かきを使いすぎない
また、耳掃除は過剰な掃除は逆効果であり、逆に炎症を引き起こすことがあります。
そのため、耳掃除は原則的に週に1回程度に抑えるようにしましょう。
回転性めまいに関する耳の健康を保つためには、耳掃除だけでなく、水泳時の水の侵入を防ぐために耳栓をつけたり、耳を冷やさないようにすることも重要です。
病院の治療では一向に良くならない、回転性めまいへの対策
回転性めまいの中には、病院で検査をしても「原因が分からない」「異常は見当たらない」といったことや「治療を継続しているがなかなか良くならない」といったことでお悩みの方もいるかと思います。
このような時は、違った方面からのアプローチを検討してみるのも良いかもしれません。
例えば、めまいや自律神経症状を得意とする整体院の受診などがあります。
原因不明や長期化する回転性めまいの多くは、ストレスなどの日常生活での何かしらの積み重ねが原因となっていることがほとんどです。
めまい専門院や自律神経を得意とする整体院は、この根本となる原因を見つけ出し、適切な調整を行ってくれます。
通常のマッサージやバキバキ、ボキボキの整体では届かない、身体の深部まで原因を深掘りして調整をしてくれます。
こういった異なる角度からのアプローチを行うことで、症状が緩和することもありますので、選択肢の1つとして検討してみてください。
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