便秘とは
便秘は、腸内の便が通常よりも長い時間体外に排出されない状態を指します。
通常、健康な成人は1日に1回から3回の排便を経験しますが、便秘の場合、排便がまれになり、便が硬く乾燥してしまいます。
便秘には、排便の頻度だけでなく、便の形状、硬さ、排便時の苦痛なども含まれます。
便秘の種類
便秘は、大きく分けて2つの種類があります。
機能性便秘
機能性便秘は、大腸が機能不全を起こすことによって起こる便秘です。
普段の食生活や運動、睡眠などの生活習慣が原因で起こるもので、日常生活を正すことで便秘も改善してきます。
また、機能性便秘は以下の3つに分けられます。
弛緩性便秘
大腸の運動機能(蠕動運動)が低下し、腸内に長い間、便がとどまる状態です。
食物繊維の不足や運動不足、腹筋力の低下が要因となります。
痙攣性便秘
自律神経の乱れによって、大腸の過緊張することで起きます。
大腸が過緊張すると、痙攣を起こし、腸内での便の移動に支障をきたします。
自律神経の中でも、主に交感神経が優位になりすぎている場合に起こりやすく、仕事や家庭でのストレスが重なることで、症状に繋がります。
直腸性便秘
便が排泄直前の場所となる直腸に達しても、便意を催すことがなく、直腸内に留まってしまうために起こる便秘です。
忙しさのあまり便意を我慢したり、便秘解消のために浣腸などを頻繁に行い、排便のリズムが乱れてしまっている人に多くみられます。
器質性便秘
器質性便秘は、胃や小腸、大腸、肛門など内臓系の疾患によって便秘になっている状態を言います。
大腸炎や直腸瘤などによって、大腸の形が変形し、便の通過を妨げます。
日常生活の改善によって緩和する機能性便秘と対象的に、器質性便秘は医療機関の受診が必要になります。
便秘の症状
便秘に伴う症状としては、以下のようなものがあります。
難しい、痛みを伴う排便
便が硬く、排便が困難で苦痛を伴うことがあります。
これは肛門周囲の裂傷や痔を引き起こすことがあります。
過度の腹部膨満感
便秘の状態が続くと、腹部が膨れて不快感を引き起こします。
主に下腹部が張ったような感覚になります。
便の硬さと乾燥
便秘の便は通常よりも硬く、乾燥しており、排便が困難です。
常に便意を感じるができない感覚
便秘の人は便意を感じるが、排便ができないという感覚を経験することがあります。
おならが多い
便秘の際は、腸内の空気(ガス)のみが移動し、おならが増加することがあります。
便秘によって、排泄物が体内に溜まると、毒素が血液に吸収される可能性があるため、他の健康問題につながることもあります。
便秘の原因
便秘の原因は多岐にわたります。
便秘の種類でも少し解説しましたが、ここではもう少し具体的にみていきます。
食事と生活習慣
- 食物繊維の不足
食物繊維は腸の動きを促進し、軟らかい便を形成するのに役立ちます。
食物繊維が不足すると、便が硬くなり、排便が難しくなります。
野菜、果物、全粒穀物を摂ることが大切です。 - 水分不足
十分な水分を摂取しないと、便が硬く乾燥して排便が難しくなります。
日常的に水を飲むことは便秘予防に有効です。 - 運動不足
運動は腸の運動を刺激し、便の移動を助けます。
長時間の座り仕事や運動不足は便秘を引き起こす可能性があります。 - 規則的な食事と排便スケジュールの欠如
食事や排便が不規則であると、腸のリズムが乱れ、便秘の原因となることがあります。
規則的な生活習慣と排便スケジュールを設定することは、腸の正常な機能を促進し、便秘を予防するのに役立ちます。
薬物の副作用
一部の薬物は、副作用として便秘を引き起こす可能性があります。
これらには鎮痛薬、鉄剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬などが含まれます。
処方された薬によって便秘症状が起きた場合には、医師に相談することが重要です。
医師が代替薬物を提案することができるかもしれません。
身体的な疾患や病態
便秘は、身体的な疾患や病態によって引き起こされることもあります。
- 腸の運動障害
腸の筋肉が正しく動かない場合、便の移動が遅くなり便秘を引き起こす可能性があります。 - 構造的な問題
腸の構造に異常がある場合、便の正常な通過が妨げられることがあります。
腸の狭窄や閉塞が便秘を引き起こすことがあります。 - 内分泌異常
一部の内分泌異常は、便秘を引き起こす可能性があります。
甲状腺機能低下、糖尿病、副腎機能不全などがその一例です。 - 神経系の疾患
神経系の疾患、特に腸の神経に影響を及ぼす疾患は便秘を引き起こすことがあります。 - 炎症性腸疾患
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は、便秘の症状を伴うことがあります。
便秘の一般的な治療法と予防法
便秘の治療にはいくつかのアプローチがあります。
原因の箇所で説明したものと似た内容になりますが、今一度しっかりと押さえておきましょう。
また、予防にも役立つ内容となっていますので、便秘に悩んでいる方は、日常生活に取り入れてみてください。
食事と生活習慣の改善
- 食物繊維の増加
食物繊維を摂取することは、便秘の解消に効果的です。
野菜、果物、全粒穀物、穀物製品、豆類、ナッツなど、食物繊維を多く含む食品を食べましょう。 - 十分な水分摂取
水分は便の柔らかさを維持し、排便を助けます。
日常的に水を飲み、水分摂取を確保しましょう。 - 運動
適度な運動は腸の動きを刺激し、便秘を緩和します。
日常的な運動習慣を確立し、散歩、ウォーキング、ヨガなどを試してみましょう。 - 規則的な食事と排便スケジュール
食事と排便を規則的に行うことは、腸のリズムを整えます。
毎日同じ時間帯に食事を摂り、排便を試みる習慣を持ちましょう。
薬物療法
- 便秘緩和薬
便秘の症状を緩和するために、便秘緩和薬が処方されることがあります。
柔軟剤、浣腸、腸の運動刺激薬などが含まれます。
医師の指導のもとで使用することが重要です。 - 薬物副作用の確認
薬物が便秘の原因となっている場合、医師に代替薬物や調整の提案を求めましょう。
自然療法と代替療法
- ヨガや鍼などの代替療法
ヨガ、鍼、指圧などは腸の動きを促進するのに役立つとされています。
薬物などに頼りたくない場合には、これらの代替療法を試すこともオススメです。 - 漢方薬とハーブ療法
漢方薬やハーブ療法は便秘の緩和に役立つことがありますが、専門家の指導のもとで使用することをオススメします。
どこに行っても一向に良くならない、便秘への対策
つらい便秘に悩まされ、病院やマッサージなど、色んなところに行ってみたものの、なかなか改善しないという人も少なくないかと思います。
このような時は、一度今までと違った方面からのアプローチを検討してみるのも良いかもしれません。
例えば、自律神経症状を得意とする整体院の受診などがあります。
どんな痛み、症状も元を辿れば、自律神経に行き着きます。
自律神経は、生命の中枢でもある脳幹と密接に関係するため、自律神経を整えることは、全身の健康にも大きく繋がります。
また、自律神経を得意とする整体院の多くは、一時的に良くなる対処療法ではなく、根本となる原因を見つけ出し調整を行う、根本療法を取り入れていることが多い傾向です。
こういった異なる角度からのアプローチを行うことで、症状が緩和することもありますので、選択肢の1つとして、ぜひ検討してみてください。
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