慢性腎不全とは
慢性腎不全とは、腎臓の機能が数か月から数年という長期間にわたって少しずつ低下していった状態のことを言い、腎臓の機能が正常時の30％以下に低下した状態を指します。
腎臓は血液中の老廃物を除去し、尿を作り出す人体に欠かせない臓器です。
腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物や水分の排泄がうまくいかなくなり、さまざまな症状が現れるようになります。
慢性腎不全の症状
症状は、腎機能の低下によって、体内の老廃物や水分がうまく排泄できなくなることにより起こります。
初期にはほとんど自覚症状がありませんが、腎機能が低下するにつれて、以下のような症状が現れるようになります。
むくみ
腎臓は、血液中の余分な水分や塩分を尿として排泄する働きがあります。
腎機能が低下すると、これらの水分や塩分が体内に溜まり、むくみが起こります。
むくみは、顔や手足、足首、腹部などに現れます。
尿量の減少
腎臓は、血液中の老廃物を尿として排泄する働きがあります。
腎機能が低下すると、尿の量が減少します。
疲労感
腎臓は、体内の代謝に必要なホルモンを分泌する働きもあります。
腎機能が低下すると、これらのホルモンの分泌が低下し、疲労感や倦怠感などの症状が現れます。
食欲不振
腎臓は、ビタミンやミネラルなどの栄養素を体内に吸収する働きもあります。
腎機能が低下すると、これらの栄養素の吸収が低下し、食欲不振や体重減少などの症状が現れます。
貧血
腎臓は、赤血球を作る働きもあります。
腎機能が低下すると、赤血球を作る働きが低下し、貧血が起こります。
貧血
腎臓は、赤血球を作る働きもあります。
腎機能が低下すると、赤血球を作る働きが低下し、貧血が起こります。
吐き気、嘔吐
腎機能が低下すると、尿毒症物質が蓄積し、吐き気や嘔吐などの症状が現れます。
息切れ
腎機能が低下すると、血液中の酸素の運搬が低下し、息切れが起こります。
頭痛
腎機能が低下すると、脳への血液の供給が低下し、頭痛が起こります。
皮膚のトラブル
腎機能が低下すると、皮膚の乾燥やかゆみなどの症状が現れます。
これらの症状は、腎機能の低下によって起こる「尿毒症」によるものです。
尿毒症は、腎臓が老廃物をうまく排泄できないために、血液中に老廃物が蓄積してしまう状態となります。
慢性腎不全は、さらに進行すると、末期腎不全となります。
ここまでくると、腎臓の機能が完全に失われ、透析や腎移植が必要となります。
慢性腎不全の原因
慢性腎不全の原因は、大きく分けて以下の4つに分類されます。
糖尿病性腎症
糖尿病が原因で起こる腎臓合併症です。
糖尿病によって血糖値が高くなると、腎臓の糸球体が傷つき、蛋白尿や血尿が出るようになります。
放置すると、腎臓の機能が低下し、慢性腎不全に至ります。
慢性糸球体腎炎
糸球体という腎臓の血液をろ過する部分に炎症が起こる病気です。
原因は不明ですが、感染症や自己免疫疾患などが関係しているとされています。
腎硬化症
高血圧が原因で起こる腎臓の病気です。
高血圧によって腎臓の血管が硬くなり、狭くなることで、腎臓への血流が減少し、腎臓の機能が低下します。
その他の原因
その他の原因として、多発性嚢胞腎、尿路結石、薬剤性、遺伝性など、さまざまな原因で慢性腎不全になることがあります。
日本では、慢性腎不全の原因で最も多いのが糖尿病性腎症で、約40％を占めています。
次いで、慢性糸球体腎炎が約30％、腎硬化症が約20％となっています。
生活習慣病である糖尿病や高血圧が原因で起こることが多いため、これらの生活習慣病の予防や早期発見が重要です。
慢性腎不全の一般的な治療法
治療は、大きく分けて以下の2つに分類されます。
原因の治療
慢性腎不全の原因が特定できた場合は、その原因に対する治療が行われます。
例えば、糖尿病性腎症の場合は、血糖値をコントロールする治療が行われます。
腎機能の低下を抑える治療
原因の治療を行っても、腎機能の低下を抑えることが難しい場合は、腎機能の低下を抑える治療が行われます。
具体的には、以下の治療が行われます。
- 食事療法
腎臓の機能が低下すると、体内の水分や塩分、たんぱく質のバランスを整えることが難しくなります。
そのため、適切な食事療法によって、水分や塩分、たんぱく質の摂取量をコントロールすることが重要です。 - 運動療法
運動療法によって、血流を改善し、腎臓への負担を軽減することができます。
しかし、過度な運動は返って負担となりすぎる可能性があるため、状態に合わせて運動強度の管理が必要です。 - 薬物療法
血圧を下げる薬や利尿剤、貧血を改善する薬など、腎機能の低下を抑える効果のある薬が使用されます。
ただし、薬による副作用などの影響も出てくる可能性があるため、薬には頼りすぎず、食事や運動でケアしていくことができれば理想的です。
末期腎不全の場合
慢性腎不全がさらに進行し、腎機能が30％以下になると、末期腎不全となります。
末期腎不全になると、腎臓の機能が完全に失われ、透析や腎移植が必要となります。
透析とは、人工的に腎臓の働きを代替する治療法です。
血液透析と腹膜透析の2種類があります。
- 血液透析
血液透析は、血液を体外に取り出して、人工腎臓と呼ばれる機械で老廃物や水分を除去する治療法です。
- 腹膜透析
腹膜透析は、腹腔内にカテーテルを挿入し、体内の老廃物や水分を腹膜を通して除去する治療法です。 - 腎移植
腎移植とは、健康な人の腎臓を移植する治療法です。
腎移植は、透析に比べてQOL（生活の質）が向上することが期待されています。
慢性腎不全は、早期発見・早期治療が重要です。
健康診断で尿蛋白や尿潜血などの異常が見つかった場合は、早めに専門医を受診しましょう。
慢性腎不全の予防法
慢性腎不全の予防には、以下の点に注意することが大切です。
生活習慣病の予防・早期発見
慢性腎不全の原因で最も多いのが糖尿病性腎症と腎硬化症です。
これらの生活習慣病は、血糖値や血圧をコントロールすることで予防・早期発見が可能です。
適切な食事と運動
食事
- 塩分は1日6g未満に制限する
- たんぱく質は、腎機能の状態に応じて制限する
- 野菜や果物を多く摂る
東洋医学では、腎臓に良い食べ物として黒いものや豆類が良いとされています。
運動
- 1日30分以上の適度な運動を心がける
禁煙
喫煙は、腎臓の血管を傷つけ、腎機能の低下を促進します。
禁煙をすることは、慢性腎不全の予防に効果的です。
どこに行っても一向に良くならない、慢性腎不全への対策
つらい慢性腎不全症状に悩まされ、病院や整体など、色んなところに行ってみたものの、なかなか改善しないという人も少なくないかと思います。
このような時は、一度今までと違った方面からのアプローチを検討してみるのも良いかもしれません。
例えば、自律神経症状を得意とする整体院の受診などがあります。
どんな痛み、症状も元を辿れば、自律神経に行き着きます。
自律神経は、生命の中枢でもある脳幹と密接に関係するため、自律神経を整えることは、全身の健康にも大きく繋がります。
また、自律神経を得意とする整体院の多くは、一時的に良くなる対処療法ではなく、根本となる原因を見つけ出し調整を行う、根本療法を取り入れていることが多い傾向です。
こういった異なる角度からのアプローチを行うことで、症状が緩和することもありますので、選択肢の1つとして、ぜひ検討してみてください。
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