ジストニアとは
ジストニアは、脳の異常によって筋肉が異常に緊張し、不随意な動きや姿勢異常を引き起こす運動障害です。
英語で「異常な」という意味の「ジス」と、「緊張」という意味の「トニア」が組み合わさった病名のことを言います。
東京都保健医療局によると、現在の罹患患者数は約2万人と推定されるとのことです。
20代〜40代に多く、乳幼児期や老年期にも発症し、その90%が原因不明とされています。
ジストニアの症状
ジストニアの症状は、体の部位によってさまざまです。
眼瞼痙攣
まぶたが繰り返し不随意に閉じたり、開いたりする。
痙性斜頸
首が傾いたり、後ろに反り返ったりする
書痙
手が曲がる、書字が困難になる
口舌ジストニア
舌が出てしまう、しゃべりにくい
下肢ジストニア
免足が内側に曲がったり、歩行が困難になる
全身性ジストニア
体の複数の部位に症状が現れる
ジストニアの症状は、軽度なものから重度なものまでさまざまです。
軽度の場合、日常生活に支障がないこともありますが、重度の場合、歩行や食事などの日常生活動作が困難になることもあります。
ジストニアの原因
上記でも記載した通り、ジストニアの90%は原因が解明されていません。
ただし、要因として関係している可能性があるものもあります。
脳の異常
ジストニアは、脳の大脳基底核、視床、小脳などの機能異常によって起こると考えられています。
これらの部位は、筋肉の運動を制御する役割を担っています。
遺伝的要因
約10%のジストニア患者は、遺伝的な要因が関係していると言われています。
遺伝子変異によって、脳の機能に異常が生じると考えられています。
脳梗塞、脳腫瘍などの脳の器質的病変
脳梗塞や脳腫瘍などの脳の器質的病変によって、大脳基底核などの機能が障害されると、ジストニアが起こることがあります。
薬剤の副作用
抗精神薬や抗不安薬などの薬剤の副作用として、ジストニアが起こることがあります。
原因は、解明されていない上に、人によっても様々です。
診断を受けた際には、医師と相談をしながら、適切な治療方針を決定していきましょう。
ジストニアの一般的な治療法
治療法は、症状や原因によって様々です。
薬物療法
- ボツリヌス毒素注射
筋肉の緊張を緩和する効果がある
- 抗コリン薬
筋肉の緊張を緩和する効果がある - 抗不安薬
症状を軽減する効果がある
手術療法
- 脳深部刺激療法
脳の特定部位に電気を刺激することで症状を改善する
その他の治療法
- 認知行動療法
症状に対する考え方や対処法を変えることで、症状を改善する
ジストニアの治療は、症状に合わせて行われ、薬物療法、手術療法など、複数の治療法を組み合わせることが有効な場合もあります。
治療期間は、長期的に続ける必要があり、完治が難しい病気ではありますが、適切な治療によって症状が改善することが可能性はあります。
ジストニアの予防法
ジストニアの予防法は、残念ながら確立されていません。
しかし、以下のことに気を付けることで、ジストニアの発症リスクを軽減できる可能性があります。
同じ動作を繰り返さない
ジストニアは、同じ動作を繰り返すことで発症することがあります。
仕事や趣味などで同じ動作を繰り返す場合は、適度に休憩をとったり、動作を変えるようにしましょう。
ストレスを避ける
脳ストレスは、ジストニアの発症や悪化を招くことがあります。
十分な睡眠、栄養バランスの良い食事、適度な運動など、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
規則正しい生活を送る
規則正しい生活は、脳の健康を維持するために大切です。
禁煙する
喫煙は、ジストニアの発症リスクを高めることが分かっています。
喫煙者は、禁煙することをおすすめします。
過度な飲酒を控える
過度な飲酒は、脳の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。節度ある飲酒を心がけましょう。
頭部外傷を避ける
頭部外傷は、ジストニアの発症原因となることがあります。
定期的に健康診断を受ける
定期的に健康診断を受け、ジストニアの早期発見・早期治療に努めましょう。
ジストニアは、誰でも発症する可能性のある病気です。
上記の予防法を実践することで、ジストニアの発症リスクを軽減できる可能性があります。
ジストニアについて、不安な点や疑問点は、医師に相談しましょう。
原因不明や治療後にも残るジストニアへの対策
ジストニアの場合、明確に原因が分かる場合には、病院での治療を優先しましょう。
原因がわからない場合や治療をし、原因が取り除かれたにも関わらず、症状が残存する場合などについては、病院での定期的な診察を受診しつつ、一度今までと違った方面からのアプローチを検討してみるのも良いかもしれません。
例えば、自律神経症状を得意とする整体院の受診などがあります。
どんな痛み、症状も元を辿れば、自律神経に行き着きます。
自律神経は、生命の中枢でもある脳幹と密接に関係するため、自律神経を整えることは、全身の健康にも大きく繋がります。
また、自律神経を得意とする整体院の多くは、一時的に良くなる対処療法ではなく、根本となる原因を見つけ出し調整を行う、根本療法を取り入れていることが多い傾向です。
こういった異なる角度からのアプローチを行うことで、症状が緩和することもありますので、選択肢の1つとして、ぜひ検討してみてください。
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