多発性硬化症とは
脳と背骨の中の脊髄は、体の司令塔のような役割をしており、神経線維という細い線で全身とつながっています。
この神経線維は、情報を素早く伝えるために「髄鞘」というまゆのような膜で包まれています。
多発性硬化症は、体の免疫システムが誤作動を起こして、このまゆを攻撃してしまう病気で、まゆが壊れると、司令塔からの情報伝達がうまくできなくなり、体の動きや感覚に様々な障害が起こります。
多発性硬化症の症状
症状は、病巣の場所と大きさによって異なります。
最も一般的な症状は、以下の通りです。
- 視力障害(視力低下、視野狭窄、複視など)
- 運動障害(歩行障害、筋力低下、麻痺など)
- 感覚障害(しびれ、痛み、灼熱感など)
- 膀胱・直腸障害(尿失禁、便秘など)
- 性機能障害(勃起不全、射精不十分など)
- 認知機能障害(記憶力、集中力、思考力の低下など)
- 疲労
多発性硬化症の原因
多発性硬化症の原因は、まだ完全には解明されていないのが現状です。
しかし、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
以下が、主な要因として考えられます。
遺伝的要因
家族に多発性硬化症患者がいる場合、両親から引き継がれる数百個の遺伝子の組み合わせによって、たまたま多発性硬化症になりやすい体質になる可能性があります。
多発性硬化症自体が直接遺伝することはなく、なりやすい体質が遺伝する可能性があります。
環境的要因
家日照時間、ビタミンDレベル、EBウイルス感染などが発症リスクに関与している事がわかっています。
自己免疫反応
本来は体を守る免疫システムが、誤って自分の体の組織である髄鞘を攻撃してしまうと考えられています。
多発性硬化症の一般的な治療法
多発性硬化症の治療法には、大きく分けて以下の2つがあります。
再発予防療法
再発の頻度と重症度を軽減し、病状の進行を抑制することを目的として行います。
- 注射薬:インターフェロンβ製剤、グラチラマー酢酸塩、ナタリズマブなど
- 内服薬:フィンゴリモド、ジメチルフマル酸など
症状治療
再発時の症状を軽減し、日常生活の質を向上させることを目的に行います。
- ステロイド:炎症を抑える効果
- 抗けいれん薬:痛みやしびれなどの症状を緩和
- 抗うつ薬:疲労感や気分の落ち込みを改善
- リハビリテーション:運動機能や認知機能の回復を促す
症状や状態によって多岐にわたるため、患者さん個々の病状や症状に合わせて、医師と相談しながら最適な方法を選択する必要があります。
多発性硬化症の予防法
予防法は、残念ながら現時点で確立されていません。
多発性硬化症自体は、感染することのない病気です。
なので、具体的な予防法がありません。
ただし、以下の方法がリスク軽減に役立つ可能性があります。
- 喫煙を避ける
- ビタミンDの摂取
- 適度な運動
- 感染症予防など
原因不明や治療後にも残る多発性硬化症への対策
症状が起きた際には、病院での治療を優先しましょう。
症状がなかなか改善しない場合や、後遺症が残ってしまった場合には、病院での定期的な診察を受診しつつ、一度今までと違った方面からのアプローチを検討してみるのも良いかもしれません。
例えば、自律神経症状を得意とする整体院の受診などがあります。
どんな痛み、症状も元を辿れば、自律神経に行き着きます。
自律神経は、生命の中枢でもある脳幹と密接に関係するため、自律神経を整えることは、全身の健康にも大きく繋がります。
また、自律神経を得意とする整体院の多くは、一時的に良くなる対処療法ではなく、根本となる原因を見つけ出し調整を行う、根本療法を取り入れていることが多い傾向です。
こういった異なる角度からのアプローチを行うことで、症状が緩和することもありますので、選択肢の1つとして、ぜひ検討してみてください。
多発性硬化症に関する個別相談はLINEから!
一口に「多発性硬化症」と言っても、人によって状況は様々で、進行具合などによっても全く異なります。
また、人によって生活、運動習慣が異なる中では、今回の内容を見ただけでは、疑問や不安を抱えられる人もいるかと思います。
そこで、当サイトではLINEにご登録をいただくことで、簡単な健康チェックや情報発信、個別の相談を受け付けています。
サイトの内容を見たけど「疑問や不安がある」「より詳しい話を聞きたい」などの声にもお応えしています。
患者様の助けとなれるような活動も行っていますので、症状にお困りの際はぜひご活用ください。