失語症とは
失語症とは、脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍などの脳損傷によって引き起こされる言語障害です。
脳の言語領域が損傷されると、話す、聞く、読む、書くの能力に影響を与える可能性があります。
失語症の症状
症状は様々ですが、大きく5つのタイプに分類され、それぞれ症状が異なってきます。
ウェルニッケ失語症
- 理解が困難
- 意味不明な言葉を発する
- 流暢だが文法的に誤っている
- 読解障害
ブローカ失語症
- 発音が困難
- 単語が思い出せない
- 文法的に不自然な発話
- 理解は比較的良好
伝導失語症
- 繰り返し困難
- 発音は比較的良好
- 理解は比較的良好
- 読解障害
全失語症
- 全ての言語能力に著しい障害
- ほとんどコミュニケーションが取れない
混合失語症
- 複数の失語症の症状が混在
- 症状は様々
失語症の原因
失語症の主な原因は、脳卒中による脳の損傷です。
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こり、言語中枢を含む脳のさまざまな領域にダメージを与える可能性があります。
失語症の原因となるその他の要因としては、以下のようなものがあります。
頭部外傷
交通事故や転倒などによる頭部外傷は、脳の言語中枢を損傷し、失語症を引き起こす可能性があります。
脳腫瘍
脳腫瘍が言語中枢に発生すると、失語症の症状が現れることがあります。
脳炎
脳炎は脳の炎症であり、言語中枢を含む脳のさまざまな領域に影響を与える可能性があります。
脳性麻痺
脳性麻痺は、出生前、出生時、または出生後に脳が損傷することで起こる障害です。
言語中枢を含む脳のさまざまな領域に影響を与える可能性があり、失語症を引き起こすことがあります。
上記に伴い、失語症のリスクを高める要因についてもお伝えしておこうと思います。
年齢
年齢が高くなるにつれて、脳卒中やその他の失語症の原因となる病気のリスクが高くなります。
高血圧
高血圧は脳卒中のリスクを高める主要な要因です。
糖尿病
糖尿病は脳卒中のリスクを高めるもう一つの主要な要因です。
喫煙
喫煙は脳卒中のリスクを高めます。
脂質異常症
脂質異常症は脳卒中のリスクを高めます。
心房細動
心房細動は脳卒中のリスクを高める不整脈です。
主要な原因である脳卒中は、上記の要因を見ても分かる通り、日常生活に起因します。
普段の生活が乱れがちな人は、注意が必要です。
失語症の一般的な治療法
失語症の治療法は、症状の程度や原因によって異なりますが、一般的には以下のものがあります。
言語療法
失語症の最も一般的な治療法です。
言語療法士は、患者さんと一緒に失語症の症状に合わせた訓練を行います。
訓練内容としては、以下のようなものがあります。
- 聴覚理解訓練: 聞き取りの練習
- 口頭表現訓練: 話す練習
- 読解訓練: 読む練習
- 書字訓練: 書く練習
- コミュニケーション訓練: コミュニケーション能力の向上
作業療法
失語症によって日常生活に支障が出ている患者さんに対して行われます。
作業療法士は、患者さんと一緒に日常生活の活動でコミュニケーション能力を使用できるように支援します。
訓練内容としては、以下のようなものがあります。
- 日常生活動作訓練: 食事、着替え、入浴などの日常生活動作を練習
- 社会生活訓練: 買い物、通院、人と会話するなどの社会生活を練習
スピーチ療法
失語症によって発音や流暢さに問題が出ている患者さんに対して行われます。
スピーチ療法士は、患者さんと一緒に発音や流暢さを改善する練習を行います。
訓練内容としては、以下のようなものがあります。
- 発音訓練: 正しい発音を練習
- 流暢さ訓練: どもりを改善する練習
薬物療法
薬物療法は、失語症の症状を改善する効果は限定的ですが、脳の機能を回復させるために使用されることがあります。
補完療法
補完療法として、音楽療法やアートセラピーなどが行われることもあります。
失語症の治療には、長期的な取り組みが必要となります。
患者さんや家族は、治療に根気強く取り組むことが大切です。
失語症の治療は、言語療法士、作業療法士、スピーチ療法士などの専門家チームによって行われます。
患者さんや家族は、専門家チームと協力して、失語症と向き合い、コミュニケーション能力の向上を目指しましょう。
失語症の予防法
失語症を完全に予防することは難しいですが、主な原因となる脳卒中のリスク要因を管理することで失語症のリスクを軽減することができます。
脳卒中の予防
失語症の最も一般的な原因です。脳卒中のリスクを軽減するには、以下のことに取り組みましょう。
- 高血圧を管理する
高血圧は脳卒中の主要なリスク要因です。
健康的な食事、定期的な運動、必要に応じて薬物療法によって血圧を管理することが重要です。 - 糖尿病を管理する
糖尿病は脳卒中のもう1つの主要なリスク要因です。
健康的な食事、定期的な運動、必要に応じて薬物療法によって血糖値を管理することが重要です。 - 禁煙
喫煙は脳卒中のリスクを高めます。
禁煙は、脳卒中を含むさまざまな健康上の問題のリスクを軽減するのに役立ちます。 - 脂質異常症を管理する
脂質異常症は脳卒中のリスクを高めます。
健康的な食事、定期的な運動、必要に応じて薬物療法によってコレステロールとトリグリセリドを管理することが重要です。 - 心房細動を管理する
心房細動は脳卒中のリスクを高める不整脈です。
血液を薄くする薬や心臓の拍動を制御する薬など、心房細動の治療法はいくつかあります。 - 適度な運動をする
週に150分程度の有酸素運動は、脳卒中のリスクを軽減するのに役立ちます。 - バランスの良い食事を摂る
果物、野菜、全粒穀物を多く含むバランスの良い食事は、脳卒中のリスクを軽減するのに役立ちます。 - 過度な飲酒を避ける
過度な飲酒は脳卒中のリスクを高めます。
頭部外傷の予防
失語症のもう1つの一般的な原因です。
頭部外傷のリスクを軽減するには、以下のことに取り組みましょう。
- ヘルメットを着用する
バイクに乗るときはヘルメットを着用し、転倒のリスクを軽減しましょう。 - 転倒予防対策をする
家の中に滑りにくいマットを敷いたり、手すりを設置するなど、転倒予防対策をしましょう。
脳腫瘍の予防
脳腫瘍の予防法は確立されていませんが、健康的な生活習慣を維持することでリスクを軽減できる可能性があります。
- 定期的な健康診断
定期的な健康診断を受けることで、脳卒中や脳腫瘍などの失語症のリスクを高める要因を早期に発見し、治療することができます。
失語症は、コミュニケーション能力に重大な影響を与える可能性のある障害です。
失語症のリスクを軽減するために、上記のような予防法を実践することが重要です。
どこに行っても一向に良くならない、失語症への対策
一般的な失語症の治療法については、上記でお伝えしたとおりですが、脳への影響も強い症状であることから、自律神経とも密接に関係している可能性もあります。
このような時は、例えば、自律神経症状を得意とする整体院の受診してみても良いかもしれません。
どんな痛み、症状も元を辿れば、自律神経に行き着きます。
自律神経は、生命の中枢でもある脳幹と密接に関係するため、自律神経を整えることは、全身の健康にも大きく繋がります。
また、自律神経を得意とする整体院の多くは、一時的に良くなる対処療法ではなく、根本となる原因を見つけ出し調整を行う、根本療法を取り入れていることが多い傾向です。
こういった異なる角度からのアプローチを行うことで、症状が緩和することもありますので、選択肢の1つとして、ぜひ検討してみてください。
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